ビブリオバトル 原稿

第23回 関西IT勉強宴会 2013-05-24は「ビブリオバトル

残念ながら、不参加となりましたので、プレゼン予定だった原稿を発表します。

私が紹介する本は、「打たれ強い心をつくる 空海のコトバ」です。

この本を購入したきっかけは、今年の東北地方太平洋沖地震の2周年を前に、
新聞の広告で目にとめました。

今年3月15日発行の本です。 著者は、植西聰(あきら)(産業カウンセラーの方です)


空海についてお話したいと思います。

空海は、真言宗の開祖です。三筆としても有名です。

遣唐使で804年に 遣唐使の一員として、唐に渡りました。
当時の航海は命がけです。空海は20年の予定の滞在を2年で帰国しました。


遣唐使の目的は、ウィキペディから引用すると
「海外情勢や中国の先進的な技術や仏教の経典等の収集が目的とされた。
旧唐書には、日本の使節が、中国の皇帝から下賜された数々の宝物を市井(しせい)で全て売って金に替え、代わりに膨大な書物を買い込んで帰国していったと言う話が残されている」

空海が残した業績としては
お寺の伽藍の建設する土木・建築工学・基礎工学
曼荼羅、仏像、法具等の美術、作成方法
香川県満濃池の改修
教育、京都の東寺にある私立の教育施設「綜芸種智院」を開設しました。
調べ上げたらきりがないでしょう。

遣唐使は630〜894年まで続きました。
遣唐使は200年以上にわたり、当時の先進国であった唐の文化や制度、そして仏教の日本への伝播に大いに貢献しました。

現在のように通信回線で世界中がつながっていない時代における、
最新の情報産業と考えれば、われわれIT技術者と同じ業種と言えます。

空海は61歳で没、入定(にゅうじょう)とされていますがその人生は波乱に満ちたものでありました。
空海は、修行をし、苦悩に絶え、多くの名言を残しました。
現在でも、力強く人生を送った姿が、ひろく日本で弘法さんとして親しまれています。


人生には誰しも苦難が付きまといます。
自分ではどうしようもない事故や、災害、時代の波に飲み込まれてしまうことが起こります。
人とのかかわりや自分自身の未熟さで思うようにいかないことのほうが多いです。
失恋や友人・肉親との別れで心に大きな穴が開いてしまうことも避けられません。

堂々巡りのマイナス思考になってしまうことも仕方のないことですが、
生きている以上、人生どこかで立ち直らなければなりません。

この本の「キャッチ」に「つかみどころのない精神論やきれいごとを空海は言わない。」と書かれています。

生き方や考え方は、人それぞれですが、プラス思考で生きていけるように意識したいものです。
自分を追い詰めるのは自分、後悔は悪いことではないが、考えすぎは苦しみのもと。

一生懸命がんばっているのにうまくいかなかったり、苦しみから抜け出せずにもがいている時。
「言葉」が救いを与えてくれることがあります。
怒りやイライラに心を乱されているとき「言葉」が安らぎを与えてくれるときがあります。
これからどう生きていけばいいかわからず、心が折れそうなとき「言葉」が方向性を示してくれるときがあります。

言葉は「人生のサプリメント」、
デスマーチや心が折れそうなとき、 技術者も人ですから、先人の教えに耳を傾けてみましょう。


IT技術者も、スポーツ選手のようにメンタル面を強化することが必要です。
この本をよんでいただき、皆さんの心が打たれ強くなることを願います。