JWCADを利用する機会があった。
歴史の古いフリーソフトのCADで、建築業界ではメジャーに利用されている。
簡単な間取りや、事務機器のレイアウトは花子やパワーポイントで済ませて来たが
店舗設計を手がけることになり、本格的な建築CADを利用せざるを得なくなった。
JWCADは、PC98、MS-DOSの時代から、フリーソフトとしてリリースされていたが、
利用機会が無かった。
現在では、Windows上での利用もできJwwと表記されるようである。
現在のバージョンはVersion 7.04aとなっている。
操作方法がMS-DOSの頃からほとんど変わっていないようで、古臭いヒューマンインターフェースのように思えるが、
慣れるにしたがって、シンプルで洗練された操作に感心する。
たかが文章作成や表計算の操作をユーザー無視で変えてしまう、企業の我がままさを残念に思う。
設計図のお手本(現場平面図と展開図)は、1級建築士の方が書いてくださったので、
そのお手本を元に修正をするだけでよかった。
建築に係わるグラフィックの文法があるがそれらを調べて図面を仕上げるには
その道のプロで無ければ短時間では仕上げられない。
施主の意向を聞きながらクロスの色デザインを決め、必要な什器の図面を書き、
壁にハンガーやガラス棚の取り付け金具をレイアウトする。
什器等も細かな図面が必要かと悩んでいたが、納まり寸法と注意点だけを指定した外観図程度の図面で
家具屋さんがあとは、技術を駆使して製作していただける。
ほとんどの部品、材料はインターネットで検索すると定価の10%〜30%で入手可能である。
工務店等に依頼して丸投げすると平気で定価の見積もりがくる。さらに管理費10%が...
ホームセンターは近くて便利だが、商品の値段はかなり高価な場合が多いので、時間、送料を考え少量の場合や
都合の良い場合に利用するのが賢い。
店舗の雰囲気を上品にするため白一色のクロスを一部張替えた。クロス屋さんの1日仕事だが自分でやっても
うまくいかないし、お願いしたほうがむしろ安い。
壁取付金具(ロイヤルASF-1 1500mm)を壁の下地に合わせて垂直、水平に取り付け無ければならないのだが、
大工さんに依頼したところ。レーザー墨だし機を使用して手際よく位置決めしてくださった。
金具も輸送途中で変形しているのでねじを締め付ける場合には1mm程度の誤差に収まるように修正が必要だ。
CADで水平垂直なレイアウトをするのは簡単だが実際の施工には現場の知恵が頼りになる。
建設業界は設計と施工が分業化され、仕事がしやすい様な図面が書け、施工業者に直接依頼することがでれば
かなり工事費をおさえることができる。
餅は餅屋の的確なアドバイスをもらえるような環境であればフリーのJWCADだけで、上流工程をこなす事ができる。
SXF標準データで公共事業における電子納品が実施されており、JWCADも対応している。
ソフトウェア業界においても、上流工程の設計ツールが標準化されて施工業者が分業化し、上手い、速い、安い
原価比較できる状態が望ましいように思う。
渡辺幸三氏のXEAD Modeler、XEAD Driverが分野は異なるがJWCADに匹敵するするほどのメジャーな
フリー上流工程設計ツールとして利用されていくことを期待しています。